うつ病と精神疾患のことー双極性障害と統合失調症ー
こんにちは、なつきちです。
うつ病一つとっても症状や特徴によって様々な診断がなされ、診断結果によって治療の方法や期間も変わります。
似ているようで実は違う病気だったということは、うつ病以外の病気でも起こりえることです。
なかでも「こころの病」と言われるうつ病をはじめとする精神疾患は、本人の申告を主な診断基準とするため診断が難しいとされています。
また病気の発生のメカニズムに解明されていない部分が多いことも、精確な診断を困難にしている一因と言えます。
しかし本人や周囲の人間が普段と違う様子だったとき、「もしかしたら・・・」と思うことが病の早期発見に役立つことも確かです。
今回はうつ病をはじめとする精神疾患にはどのような種類や特徴があるのか、その一部を見ていきたいと思います。
特徴として躁状態(気分が高まっている状態)とうつ状態(気分が落ち込んでしまう状態)の両極端の状態が繰り返し起きる疾患です。
躁状態とうつ状態が発生する間隔は人によって様々で、数週間から数ヵ月の人もいれば数年単位の間隔で繰り返されることもあります。
また発症時はうつ状態になることが多く、うつ病と診断された後、躁状態に移った際に双極性障害として改めて診断される場合もあります。
躁状態のときは普段と人が変わったように活発になる、睡眠をとらなくなる、ちょっとしたことで怒り出すといったことが特徴です。
うつ状態のときは気分がひどく落ち込み、何事にも関心を示さなくなったり、身体の不調が続いたりします。
双極性障害のなかでも症状により細分化され、躁状態とうつ状態が発現する場合は双極Ⅰ型、軽躁状態とうつ状態が発現する場合は双極Ⅱ型とされます。
治療には気分安定薬や抗精神病薬を服用する薬物療法が用いられるとともに、患者本人が自らの状態を受け入れコントロールできるよう精神療法を行う場合もあります。
2.統合失調症
特徴として幻覚や妄想といった陽性症状と感情や意欲、思考の低下といった陰性症状が見られる疾患です。
以前は精神分裂病という病名で呼ばれていましたが、「精神」が「分裂」しているという表現はネガティブなイメージが強いことから病名を変更されています。
陽性症状である幻覚とは実際には見えていないものが見える、誰もいないのに人の声が聞こえてくる、自分の考えが他人に伝わっている気がする状態のことを指します。
妄想では間違った内容を正しいものだと信じ込んでしまい、周囲からの訂正を受け入れない状態になります。
陰性症状の感情や意欲の低下では、周囲とのコミュニケーションが取りづらくなるためトラブルになることや周囲との接触をさけるため引きこもりになる場合があります。
また陽性症状と陰性症状に加え、記憶力や集中力の低下といった認知機能障害により社会生活全般に支障をきたしてしまうことも少なくありません。
治療は数ヵ月から、長期だと数年の期間にわたる場合もあります。
急性期、回復期、維持期といった段階に分けられ、それぞれの時期に応じた薬物療法、精神療法、リハビリ等の治療が行われます。
双極性障害、統合失調症の2つの病についてみましたが、本人の申告次第では違う病として診断されてしまう可能性を多分に含んでいます。
私自身も診察の際、主治医に自分の状態が的確に伝えられているのか自問自答したり、相手の反応を見ることは多くあります。
また今回のように少しずつでも、自分の病と同じ領域に属する病を知ることも一つのセルフメディケーションの在り方なのではないかと考えています。
精神疾患という見えない病と向き合うには正しい診断と適切な治療が必須となります。
症状が重い場合には入院が必要なこともあるため、本人だけでなく家族や周囲の人間の理解や支援を受けることが円滑な診断や治療、社会復帰につながっていきます。