うつ病のことー動物介在療法(アニマルセラピー)ー
こんにちは、なつきちです。
動物と触れ合うことは、ストレスの軽減やQOLの向上など様々なプラスの効果をもたらしてくれます。
我が家でも猫や犬を飼っていた経験があり、日々の生活に癒しを与えてくれていました。
医療や介護の現場でも取り入れられており、「動物介在療法(アニマルセラピー)」と呼ばれ、アメリカやヨーロッパでは古くから盛んに行われています。
犬や猫、うさぎといったペットのほか、ウマやイルカがセラピーアニマルとして活躍しています。
人と動物の触れ合いは3つの活動に分かれています。
動物介在療法(AAT:Animal Assisted Therapy)
医療の現場で治療行為として動物を介在させる補助療法です。
治療が目的となるため、医療従事者による効果の判定が行われます。
動物介在活動(AAA:Animal Assisted Activity)
動物と触れ合うことで、精神的な安定や生活の質の向上に貢献します。
動物介在教育(AAE:Animal Assisted Education)
保育園や小学校など、こども達の教育の現場に動物を介在させ、人としての成長を促します。
3つの活動の中で、一般的にアニマルセラピーとは動物介在療法、動物介在活動の2つの活動を指しています。
精神疾患においては、うつ病や統合失調症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の心理療法のプログラムの一つとして実施されています。
動物介在療法(アニマルセラピー)の効果
・愛情ホルモンの分泌
動物と一緒にいたり、触れ合っていることでストレスを軽減するオキシトシンというホルモンの分泌を促してくれます。
オキシトシンは不安を和らげたり、心拍数や血圧を下げたりする役割を果たしています。
出産や授乳時に分泌が増えることが知られており、「愛情ホルモン」と呼ばれています。
・リラックス効果
動物と触れ合っていると、呼吸がゆっくりになったり、血流が良くなるとされています。
また動物の柔らかい毛並みや暖かさを感じることで副交感神経が優位になりセロトニンの分泌も活発になるため、リラックスすることが出来ます。
・社会性の向上
ペットを飼ってい場合は散歩に出ることが外出のきっかけになり、適度な運動や引きこもりの抑制に繋がります。
特に朝の散歩では日の光を浴びることで、セロトニンの分泌を促してくれます。
ペットを介した飼い主間の会話においては共通の話題になることから、コミュニケーションの質や量の向上をもたらしてくれます。
このように動物と触れ合うことは精神疾患の治療において精神的、身体的、社会的にも様々な効果が期待できます。
ペットを飼うことが難しい場合でも、最近では猫カフェなどの動物と触れ合うことが出来る施設は多くあります。
もしペットを飼うことになった場合にも、自身の疾患がどの程度なのか、継続して世話をしていけるのか、経済面で負担にならないかなど注意しなければなりません。
また今の言葉でいう「ペットロス」にも注意が必要です。
精神疾患の治療には、治ったという客観的な指標はありませんが、アニマルセラピーによって症状の緩和が見られるのも事実です。
動物に触れ合う機会があった際は、その機会を生かして思いっきり癒されてみるのもいいかもしれません。