うつ病のことー当事者会の意義ー
こんにちは、なつきちです。
ネットなどの通信環境の発達著しい昨今、顔を突き合わせなくても別の場所にいる誰かとの情報交換はとても容易になっています。
ハード面はもちろん、フェイスブックやツイッターに代表されるSNSなどソフト面もどんどん機能が拡張しほぼリアルタイムでだれがどこで何をしているかが把握できます。
いま記事を書いているはてなブログも例にもれず、その恩恵をあずかるものの一つです。
しかしこれだけ情報収集できる環境がそろっていても、人は同じ目的の下一つの場所に集まって言葉を交わし議論したり思いを一つにします。
その一つの形が当事者会と呼ばれる集まりです。
当事者会とは「自助グループ」における集団を指す名称の一つとして捉えられています。
自助グループとは、同じ問題や悩みを抱えた人が互いに助け合い、問題を解決していくための小規模の集まりです。
当事者会のほか、その家族の集まりである家族会も自助グループの一つです。
当事者会のメリット
・直接会ってお互いの話を聞いたり、意見交換をすることが出来る
直接会って会話をするというのは、文字で読み取る以上に多くの情報を得ることが出来ます。
相手の表情やしぐさ、声の抑揚などが合わさることでよりその経験や体験に関して鮮明なイメージを持つことが出来るのも、膝を突き合わせて会話しなければ得られない情報と言えます。
また文字だけでは伝えきれない詳細な情報を得ることが出来るのも、直接会話することのメリットです。
直接交流することは互いの親睦を深めることはもちろん、仲間がいることをより強く実感できることから日々の活力にも繋がります。
・専門家や知識人を交えた学びの場に参加出来る
自分一人だけでは会って話を聞いたりすることが難しい専門的な知識や知見も持った人物から学ぶ機会を得ることが出来るのは、自助グループや当事者会のような組織、団体がもつ強味です。
特に福祉制度や法関係の知識は文章で見ただけでは理解が難しい場合が多々あります。
専門的な知識がなくても、より多くの人が分かるようかみ砕いた情報として伝えることが出来るのは専門家や知識人の得意とする分野だと言えます。
・福祉制度や支援の実現に向けた対外的な活動に携わることが出来る
組織や団体の規模にもよりますが、社会に向けた広報活動や啓蒙運動、署名運動も一個人で行うのは非常に困難です。
当事者やその家族が立ち上がることでより現実的な、あるいより当事者の目線に立った制度や支援を訴えることも可能です。
どんな自助グループがあるのか
行政が運営するものからNPO法人、企業によるものなど様々です。
なかには今や当たり前の女子会といった気軽に参加できる交流の場から、セミナーや講演会もあったりと色々なイベントが開催されています。
そのほんの一部をご紹介します。
・Milkカフェ
・ReOPA レオパ
・soar(ソア)
・U2plus
上にご紹介した以外にも自助グループは様々ありますので、気になった方はぜひ調べてみてください。
初めからいきなり直接は難しいかも、と思う方はグループ内のインターネット上の掲示板やコメント投稿からスタートするなど、段階を踏んでいく関わり方も可能です。
参加することで新たな出会いや発見、生き方などにめぐり逢うことがあるかもしれません。
うつ病のことー喫煙との関係ー
体に悪いことはわかっているんです、はい。。。
冒頭からすみません、なつきちです(後ろめたいので少し文が乱れています)。
煙草の値段が上ったり、全席禁煙の店舗が増えたりと、とにかく禁煙の波が押し寄せています。
先日のニュースでもコンビニエンスストアのセブンイレブンが、東京都内の店舗の灰皿の撤去を要請したと報じられていました。
受動喫煙による健康被害はもちろん、2020年に開催の東京オリンピックを見据えた動きとのことです。
最近では電子タバコも浸透してはいますが、肺がんをはじめ各種がんのリスクはいまだついて回ります。
喫煙による健康被害
煙草には様々な化学物質や発がん性物質が含まれています。
なかでも大きく取り上げられるのはニコチンとタールです。
ニコチンは依存性がある成分であり、このニコチンの依存性の高さが喫煙をやめられない原因になっています。
麻薬として知られているコカインやヘロインよりもその依存性は高いとされています。
よくありがちな煙草を吸うとストレス解消になるという話は正しい情報ではありません。
喫煙時のニコチン摂取によるリラックス効果は一時的なもので、体はすぐにニコチン不足の状態になり喫煙への欲求が湧き起こります。
タールは喫煙時の煙に含まれていて、がんにかかるリスクが高まる原因とされる物質で、数百種類もの発がん性物質が含まれています。
喫煙者の歯を茶色や黄色に変色させるヤニもタールの仕業です。
また体内に蓄積されると肺が黒く変色してしまいます。
この他、息切れがしやすくなったり、動脈硬化のリスクが高まる一酸化炭素が煙草には含まれています。
うつ病との関係
うつ病患者の喫煙率はうつ病でない人と比べて2~3倍に上るとされています。
これはストレスを解消するために喫煙をしている人が多いことが理由と考えられています。
また喫煙=ストレス解消という認識が世間一般でも広まっていることが拍車をかけているとも言えます。
ニコチンの摂取によりセロトニンが分泌されることは確かですが、あくまで一時的なものにすぎません。
ここで本当に問題なのはニコチン依存から生じるストレスです。
喫煙者の根底にあるニコチン不足によるストレスを解消することこそ、うつ病の治療において日々をストレスなく過ごすための方法だと気が付かなければなりません。
極端に言うと、ニコチン不足でストレスを日常的に感じているところにセロトニンを増やす抗うつ薬をいくら服用したところで効果が得られないということです。
よって喫煙者のうつ病の治療においては、禁煙も同時に行うことが抑うつ症状の改善により効果的になります。
ただし禁煙にはニコチン不足による禁断症状に気を付けなければなりません。
抑うつ症状が重い人や一日の喫煙本数が多い場合にはなおさらです。
そこで、いきなり完全禁煙しようとするのではなく禁煙外来に通うなどして、徐々にニコチンの摂取を減らしていく必要があります。
ニコチン依存の状態を少しずつ改善していくことで、セロトニンの分泌も正常に戻っていきます。
喫煙は本人や周囲の人の健康被害はもちろん、うつ病の回復の遅れにも繋がりかねません。
無理なく進めていくためにも主治医と相談し、効果的な治療に結び付けていきましょう。
うつ病のことー光トポグラフィー検査ー
こんにちは、なつきちです。
うつ病の診断に関して、客観的なデータによる診断が難しいというのが現在の課題とされています。
以前取り上げた、「うつ病のことー抗うつ薬が効かないうつ病ー - free life log」
の研究で用いられたMRIによる脳機能の画像解析は客観的なデータを提供してくれる数少ない事例の一つと言えます。
しかしあくまで研究のいちデータという側面が強く、日常的に診断に用いられるほど平易な手法ではありませんでした。
そこでより一般的に普及し得るようなデータを提示出来る手法は無いのかを調べていたところ、一つの検査に行き当たりました。
それがタイトルの「光トポグラフィー」という検査方法です。
光トポグラフィー検査とは
光トポグラフィー検査(読み)ヒカリトポグラフィーケンサ
デジタル大辞泉の解説
近赤外線を利用して脳の働きを観察する検査。頭皮の上から近赤外光を照射して大脳皮質の活動をとらえるもので、ヘモグロビンが光を吸収する性質を利用して脳の血流量の変化を計測し、画像として表示する。てんかん・鬱病の検査などに用いられる。「光トポグラフィ」は日立製作所の登録商標。 ※コトバンクより
検索すると上記の解説が出てきます。
補足すると、赤外線を前頭部や側頭部に照射するための帽子型の装置を被り、目の前のコンピュータから出される質問に応えていくという検査です。
質問に答える際の脳内の血流の変化を調べることで対象者を健常者、うつ病、双極性障害、統合失調症などに判別します。
出題される質問は、「あ」で始まる単語を答えるといった単純なもので、時間にして十数分程度で検査は終了します。
検査結果はグラフ化されるのですが、グラフの変化はそれぞれの疾患により特有のパターンがあるため、照らし合わせることで疾患を客観的に判断することが出来ます。
2009(平成21)年に厚生労働省の先端医療として承認され、2014(平成26)年には「抑うつ症状の鑑別診断の補助に使用するもの」として保険診療で検査を受けることが出来るようになりました。
2013年以前は1万円以上の費用が掛かりましたが、保険診療の適用により3割負担になったことで費用負担はある程度軽減されています。
この検査で気を付けなければならないのは診断を確定するのもではなく、あくまで診断の補助に用いられる検査であるということです。
とはいっても検査自体の精度は70~80%と高く、問診の結果を裏付ける客観的資料として診断に説得力を持たせています。
また診断の補助として、疾患が回復傾向にあり復帰のタイミングを見極める際の判断材料としても貴重なデータとなります。
課題
うつ病を始めとする精神疾患の診断の補助として有用性はあるものの、導入件数を調べてみると70件前後と全国的な普及には至っていないようです。
これは光トポグラフィーを導入するにあたり、厚生労働大臣が定める施設基準に適合している(※)ことが必要になるためであり、導入にハードルがあることもその要因の一つです。
精度に関しては残りの20~30%は慎重な判断を求められることもあり、より多くの検査データの収集による診断精度の向上が求められています。
また保険診療の対象は限られており、うつ病と診断され治療を受けているが症状が回復せず(難治性うつ病や抵抗性うつ病)、統合失調症や双極障害などの他の精神疾患の可能性があるもの(※)に限られています。
※施設基準や保険診療の対象についての詳細は「D236-2 光トポグラフィー - 平成30年度診療報酬点数 | 今日の臨床サポート」をご確認ください。
診断を確定できるほどの臨床データが取れていない現状ですが、今後の導入実績によってはより平易に健康診断に取り入れられるなど広く普及する可能性は多分にあります。
誤った診断や治療の長期化を防ぐ意味でも現在の精神科医療に客観的データは必要不可欠なものです。
誰でも気軽にというわけにはいきませんでしたが、将来性のある検査として今後の展望に期待したいと思います。
うつ病のことー精神疾患のオンライン診療ー
こんにちは、なつきちです。
体調が優れない日と診察日が重なってしまうことがたまにあります。
正直なところそんな日は外に出たくないため、予約の日時を変更してしまいます。
たぶん私に限らず、うつ病をはじめとする精神疾患をお持ちの方であれば、覚えのある行動かと思います。
外出をするのは、結構なエネルギーを消耗するので思いのほかしんどいのです。
(病院に行かずに診察や薬の手配などが完結すれば助かるなあ。。。)といった、こころの声を実現した仕組みが実はここ数年で広まっているのだと知りました。
それがオンライン診療(旧名称:遠隔診療)というシステムです。
オンライン診療とは
パソコンやスマートフォンなどの通信機器を用いて医者と患者が対面せずに診察をすることが出来る診療方法。
遠隔地や離島に限らず、物理的な距離の制約を受けることなく診察することが出来る。
医師の不足の解消や長時間労働の是正につながる。
※オンライン診療の詳細については、日本遠隔医療学会ご覧ください。
オンライン診療のメリット
移動時間や待ち時間、物理的な距離の制約なく診察を受けることが出来る。
(院内処方の場合、)薬が宅配で届く。
オンライン診療のデメリット
初診は病院での直接診療が必要。
院外処方箋の場合は薬局に行かなければならない。
診察代が高い場合があり、決済はクレジットのみ。
オンライン診療の設備を導入している医院のみで可能。
患者側では通信環境や専用アプリ(オンライン診療アプリ CLINICS(クリニクス))等のダウンロードが必要。
デメリットもまだ目立ちますが、精神疾患の場合、通院を周りに知られたくない方もいるかと思います。
また一度通院を逃してしまうと、次の予約や通院に結びつかず、そのまま病院に行かなくなってしまうこともあります。
なので時間や場所の制約を受けにくいオンライン診療は継続的な治療に適していると言えます。
そもそもオンライン診療という考え方は、1997(平成9)年の厚生労働省の通達、「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」で示されていました。
しかし当時はオンライン診療の解釈や医師法第20条により、離島や遠隔地など対面診療が難しい場合を除いては原則禁止とされていました。
そこから改定が進み、2015(平成27)年に直接の対面診療と組み合わせることを前提としオンライン診療が事実上解禁となりました。
また今まで医療機関が足踏みする理由の一つとなっていた診療報酬についても、見直しが進められており、より導入環境は整備されています。
うつ病を含め精神疾患全般で見ても、罹患期間が長いことから継続した治療や服用が求められます。
また精神疾患以外にも、内科や小児科など他の診療科の中にもオンライン診療に適している分野が存在します。
しかし日本はオンライン診療の分野において、欧米諸国と比べて遅れているというのが実情です。
今後もますます導入やルールの制定が進み、より患者ごとに適した医療が提供できる環境になることを期待したいと思います。
うつ病のことーこどものうつ病ー
こんにちは、なつきちです。
いまや15人に一人はうつ病に罹ると言われているほどストレスにさらされる社会になっています。
子をもつ親として、自分と同じよう我が子がうつにならないかどうかは尽きない心配の種の一つです。
人間形成していく中で、段階によっては自分のこころやからだの状態をうまく言葉に表せないことも多々あります。
また反抗期や思春期など、親や社会との関わり方が変化するタイミングでは特にその見極めが難しいと言われています。
こどもだからうつ病にならないという認識は今や昔、こどもだってうつ病になる可能性があるということを改めて考えていきたいと思います。
こどものうつ病の特徴
イライラする
怒りっぽくなる
過眠
過食
特徴としてイライラしたりちょっとしたことで過度に怒り出すことが挙げられ、大人のうつとは反対の症状が出てきやすいとされています。
周囲の大人からは反抗期として受け取られやすい行動ですが、学校で友達とうまくいってなかったり、勉強についていけない、親からの過度の期待やプレッシャーなどが背景にあります。
またうつ病に対する知識を持っていないため大人に自分の心身の状態をうまく言葉で伝えらず、理解してもらえないこともイライラする原因の一つです。
その他の症状
気分の落ち込み
元気がなくなる
好きだったことに興味がなくなる
意欲や集中力がなくなる
身体が怠い、疲れている
不眠や眠りが浅くなる
食欲がなくなる
成績が落ちる
頭痛や腹痛
不登校や引きこもりになる
消えたい、死にたいと思う
気分の落ち込みなど大人と同様の症状もみられ、2週間以上続くようであればうつ病の可能性を疑い精神科や心療内科への受診を考える必要があります。
「死にたい」、「消えたい」という発言やリストカットなどの自傷行為を見つけた場合は特に注意しなければなりません。
過度のストレスから逃げたいと思うことから学校に行かなくなり、インターネットやSNS、ゲームにのめりこむこともあります。
親である自分だけではどうにもならない場合は学校や地域の保健センター、専門機関に相談するのも一つの手です。
治療
治療については主に休養、精神療法が用いられます。
特にカウンセリングなどの精神療法が重要とされており、じっくりとこどもの話に耳を傾けて、心の声を形にしてあげることが大切です。
まだ自分の状態を言葉でうまく表現できないからこそ、対話の時間が治療の中でも非常に重要な要素になります。
また、こころもからだも疲れ切っている点では大人と同じなので、ゆっくりと休むことが出来る環境を整えてあげましょう。
学校や部活、クラブ活動はもちろん、今のこどもに多い学習塾も習い事も控えてあげることが必要です。
学校へ行くことが出来る状態だとしても、学校と調整して早めに帰る体制などを取ることで負担はぐっと減らすことが出来ます。
こどもは大人以上に環境に左右されやすいことも休養や精神療法が用いられる要因となっています。
薬物療法については思春期を過ぎていないこどもには、緊急性が高い場合を除いては使われないことが多いとされています。
大人が服用した時と同様の効果が認められない場合が多いことや、そもそも薬物療法を用いた症例が少ないためです。
また抗うつ薬の投与によって自殺行動のリスクが高まる可能性があることもその理由の一つです。
医療機関選びについては児童精神科など、こどものメンタルケアに強い専門機関を受診することが推奨されます。
しかし児童精神科自体の数はそれほど多くない現状があります。
近くにない、予約に時間がかかる時は、まず近隣の小児科や精神科で見てもらうことが可能かの確認をしてみることが大切です。
また地域の福祉センターでも保険医や臨床心理士の方が面談を行ってくれるところがあるので、問い合わせするのも良いでしょう。
家族の関わり方やサポート体制
こどもも大人と同じように自分が属する集団や社会の中で一生懸命生きています。
その中で過度のストレスがかかれば、こころもからだも疲弊してしまうのは当然のことと言えます。
元気がないからと「頑張れ」、「大丈夫」と励まされたところでどうにもならないことだってあるのです。
そんな時はまずゆっくり休ませてあげることがとても大切になってきます。
大人以上に一日一日が重要になこどもこそ、早く復帰させてあげるためにも焦らず休ませてあげなければなりません。
「つらかったね」、「自分たちがついているよ」という声かけと共感で不安や緊張をほぐしてあげましょう。
暖かく見守っていくと伴に、カウンセリングで分かってくるうつ病の原因を取り除いてあげることも復帰に向けた動きの一つです。
学校や医療機関と連携して、復帰後の再発を予防していく体制づくりが必要になってきます。
大人と同様、再発する可能性が高く、再発後は症状がより重症化することも注意しなければならない点です。
そして何より大切なのは、周りの大人、特に家族がこどもの異変に気付いてあげることです。
日々の生活の中でみられるちょっとした行動の変化やサインを受け取ることが早期の治療や復帰に繋がっていきます。
いつもと様子が違うなと感じたら、早めに学校や医療機関と相談し対策を講じていきましょう。
うつ病と暮らしのことー失業時の雇用保険ー
こんにちは、なつきちです。
会社を辞めたり、倒産、リストラなどで失業してしまうと、次の就職先が決まるまでの間は給与が発生しないので定期的な収入がなくなってしまいます。
そのため余程貯蓄がない限り、なるべく早く次の職に就くための求職職活動をする必要があります。
特にローンの支払いや家賃、食費、光熱費などの固定費は定期的に発生するので、ややもすると貯蓄が尽きて日々の生活に困窮する可能性も出てきます。
今回はその助けになる雇用保険(いわゆる失業保険)について取り上げたいと思います。
まずは雇用保険についての確認です。
※以下、ハローワークインターネットサービス - 雇用保険制度の概要の抜粋です。
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雇用保険制度の概要
雇用保険は政府が管掌する強制保険制度です。
(労働者を雇用する事業は、原則として強制的に適用されます)
雇用保険は、
1.労働者が失業してその所得の源泉を喪失した場合、労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合及び労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に、生活及び雇用の安定と就職の促進のために失業等給付を支給。
2.失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図るためのニ事業を実施する、雇用に関する総合的機能を有する制度です。
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ざっくり言うと雇用保険とは、失業した時の求職(再就職)活動に支障が出ないよう失業給付(いわゆる基本手当)を支給する制度です。
なので、求職活動やそのための職業訓練を受講しなければ給付はもらえないということになります。
また失業し求職活動を行っていても、会社を自らの意思でやめる場合と会社の倒産やリストラでやむを得ず職に就けなくなった場合では失業給付が支給される条件が異なります。
給付の条件は区分という形で分けられており、離職した際に会社から渡される「離職票ー2」の離職理由(もしくは離職区分、離職コード)で確認することが出来ます。
自らの意思で辞めた場合
失業給付が支給されるまで3ヵ月の給付制限期間があります。
区分は「一般受給資格者(40、45、50,55)」です。
リストラや倒産の場合
失業給付が給付制限期間がなく支給されます。
区分は「特定受給資格者(11、12、21、22、31、32)」です。
では同じ失業状態なのに、なぜ給付制限期間の有無が発生するのでしょうか。
自らの意思で辞めた場合
自らの意思による失業のため、次の就職先に目処が立っている状態と見なされます。
リストラや倒産の場合
自らの意思に反した失業であり、次の就職先を決めるための時間的な猶予がなかったと見なされます。
上記のように自らの意思のもと、新たな就職先に移るか否かが決め手になります。
しかし自らの意思で辞めた場合についても一部例外が存在します。
それが正当な理由により失業状態になる場合です。
以下が該当し、給付制限期間なく失業給付が支給されます。
- 病気やけがによる離職
- 妊娠・出産・育児による離職
- 親族の看護等による離職
- 配偶者や扶養すべき親族と別居生活を続けることが難しくなったことによる離職
- 通勤が難しくなったことによる離職
- 会社の倒産やリストラ以外で、人員整備のための希望退職に応じたことによる離職
私の場合はうつ病の悪化による離職が上記の1に該当するため、給付制限期間なく失業給付が支給されます。
ただし正当な理由かどうかの判断のため、「就労可否証明書」という書類をハローワークに提出しなければなりません。
就労可否証明書は求職者本人の記入欄と医師の証明欄の2箇所の記入が必要です。
また記入の仕方を間違うと正当な理由による離職と認められない場合があります。
ポイントとなるのは医師の証明欄の内容で、
①離職する理由になった病気の初診日が退職日よりも前であること。
②病気により、仕事の継続は困難であったこと。
③次の就職先では、週20時間以上の仕事が可能であること。
という3点を満たしていることです。
上記を踏まえて書類を提出することで、「一般受給資格者」から「特定理由離職者(23、33、34)」という区分に変更になり給付制限が解除されます。
以前取り上げた国民健康保険の軽減措置も、この特定理由離職者になったことによる優遇措置です。
現状で手続きが進んでいるのは以上なのですが、うつ病による離職の場合、障害者手帳をお持ちの方と同じ「就職困難者」という区分へ変更出来ることがあります。
特定理由離職者の基本手当の給付日数は120日ですが、就職困難者の基本手当の給付日数は300日に延長されます。
これはうつ病という病の性質上、求職活動に様々な制限がかかり、活動の長期化が予想されることへの配慮が込められているからです。
ただし区分の変更にあたっては、かかりつけの先生に「主治医の意見書」という書類を記入してもらい、ハローワークで区分の変更が必要か否かの判断を仰ぐ必要があります。
ハローワークの方からのお話もあり、私も主治医の意見書を記入してもらい判断するということになりました。
2回目の認定(12月中旬ごろ)までにはその結果も出ていると思われるので、分かり次第改めてご報告いたします。
また、同じうつ病の方でも個々の状況によっては、対応の内容や流れが異なる場合もありますのでご注意ください。
うつ病のことー食生活との関係ー
こんにちは、なつきちです。
生きていく上で欠かせない食事ですが、うつ病を患うと食欲の低下を感じることも多いかと思います。
その割合は半数以上に上り、うつ病の代表的な症状の一つと言えます。
しかし最近ではうつ病の治療において休養や薬物療法、精神療法と並び、欠かせない要素の一つとして食生活の在り方が見直されています。
よって今回はうつ病と食生活の関わりについてみていこうと思います。
忙しい現代人に多い特徴の一つとして、朝食を取らないということが挙げられます。
かくいう私もその一人で、朝は朝食をとるより寝ていたいという気持ちが強く、おざなりになりがちでした。
しかし朝食を取らないと、日中活動するために必要なエネルギーが不足したり、体内リズムの乱れが起こります。
さらに最も重要なこととして、生きていく上で必要な栄養素が不足してしまいます。
この栄養素の不足の怖いところは、うつ病の原因である体内のセロトニン(幸せホルモン)の不足を招いてしまうところです。
セロトニンを作り出すための栄養素であるアミノ酸やビタミンなどの摂取量が低下するため、体内がセロトニン不足に陥りうつ病になる危険が高まることになります。
加えてセロトニンは体内に貯めておくことが出来ないため、常にセロトニンを作り出すための栄養を食事から摂取する必要があります。
セロトニンの生成に必要な栄養は、赤身の肉や青魚、乳製品に豊富に含まれています。
また食生活を見直すことは、生活習慣病の予防にも繋がります。
生活習慣病の中でも、特に糖尿病はうつ病との関連が高い病として多く取り上げられ、うつ病の人はそうでない人と比べ糖尿病の発症リスクが高いとされています。
うつ病になると日常の活動量や運動量が低下したり、食事や栄養管理に対する関心が薄れてしまうことにより、肥満やメタボリックシンドロームのリスクが高まるからです。
糖尿病に関して言えば、長期間にわたる食事制限や治療がストレスになるため、糖尿病の方がうつ病を併発することも懸念されています。
食事療法では、腸内環境を整えることでうつ病を改善しようという試みも行われています。
ヨーグルトや乳酸菌飲料を摂取して、腸内のビフィズス菌や乳酸菌を増やすことはうつ病の治療に有用であり、どの善玉菌がうつ病に効果をもたらしているのかという研究に発展しています。
チーズや牛乳といった乳製品にはセロトニンの生成に必要なアミノ酸も含まれています。
今後ますます食生活の見直しによるうつ病の改善や予防は重要性を増していくと思われます。
うつ病の場合、日内変動により朝に不調が出やすいことは確かです。
しかし朝日を浴びることや朝食は規則正しい生活のためのリズムをもたらしてくれるものであり、社会復帰には欠かせない要素の一つです。
私も朝食を取ることや腸内細菌を増やす食事を心掛けてみようと思います。